今回の手記は「総括」です。

ワールドサービスさんの海外情報ホームページに掲載依頼をされ、投稿をして参りましたが今回を持って終了させて頂きます。終了にあたって小生が10年間このニュージーランドに在住して感じた事などを率直に総括してみたいと考えます。この総括にあたりましてはお聞きになる人によって考え方が色々おありかと思いますが、後は読者のご判断でご理解ください。

小生がニュージーランドに来た大きな目的やその後のニュージーランドでの生活については第5回コラム「地上の楽園ニュージーランド」でお話したと思いますが、どの地においてもその国の良い所と悪い所があるものです。小生がこのニュージーランドに上陸した10年前はこの様なメディアなども発達しておらず、情報収集には随分苦労致しました。8年前に日本人としてはじめて大型パラボラアンテナを設置し、NHKの国際テレビ放送を見る事が出来たときは大いに感激したものでした。その後ニュージーランドの国内事情も好転し、それに伴い日本人を対象にした情報誌等もちらほら出現するようになり少しは暇をつぶす事ができるようになってきました。

これからニュージーランドに来ようと考えている方がたにとってはその事は素晴らしい事であり、色々な情報を基に自分の動き方や考え方を決める事が出来ることでしょう。小生はほとんど情報が無い時期やニュージーランドが中国と同じように経済創世記だった事もあり、色々な難問に直面し、その上1500万ドル以上の授業料をニュージーランドに支払って来ました。

そこで小生は今後ニュージーランドに来ようと思っている方に小生が体験した事の事実をもとにご注意したい事がありますのでお聞き頂き今後の糧にして頂ければと考えております。その前に小生は自分の体験談を基に被害に遭われないようアドバイスする機関を設立し、今までに多くの人達の被害を未然に防いだり、又被害にあった一部の人達を救済してきました。その機関はNZ・JPボランティア協会として現在も活動しております。

さて小生がお話したい注意事項を以下にまとめましたのでご覧下さい。

@ニュージーランドにおいては大型投資は絶対に控える事
その一番の理由は法律制度が確立されていなく、いまだに植民地の法制度程度でありアメリカ系の情報誌は「ニュージーランドは投資不適格国」とされアメリカ人は別荘地以外の投資はほとんどしていない。又、アジア諸国の投資家も小生と同じように不備な法律制度によって損害をこうむっている人が多い為、現在は大型投資は控えている。その事から投資は住宅購入程度にし、それも注文住宅は色々なトラブルが発生するので建売住宅もしくは程度の良い中古住宅を購入する。その後自分の住み易いように一部改装するのは良いが日本人が関係する住宅建設屋や不動産屋は言葉の問題から安易に利用しがちだが結局は高くつくので注意する事。
Aニュージーランドにおいて弁護士は石を投げれば当たるほどいて日本の弁護士と比べると数段階程度が低いと考えておく事。
ソリシターといわれる弁護士は日本の司法書士と考えて下さい。法廷に実際に立つことの出来る弁護士はバリスターと言われています。特に注意しなければいけない弁護士事務所は日本人を対象に商売をしている弁護士で名刺に日本語で印刷された物を持ち、日本語を片言でも話す外人の弁護士は特に注意する事。小生はニュージーランドで大手の弁護士事務所のほとんどは利用しましたが、料金が高い割にはほとんどまともな仕事は出来ずコラム7でお話したような契約や裁判においても顧客の保護はほとんどしてもらえませんでした。
Bニュージーランドにおいて一番問題なのは同じ日本人同士で詐欺まがいの事をする人間がいると言う事
この国においては失業率が高い事と、外国人はあまり雇用されません。その為こちらに在住し、職を得ようとすると同邦人の日本人を対象にする方が多いのは当然だと思いますが商売の仕方がフェアではないのが一般です。もちろんまともなビジネスをし、成功した方もいらっしゃいますが全般的に要注意されると良いと思います。こちらで発行している日本人対象の雑誌等に掲載されている広告等もすぐに信用せず色々な情報を基に決める事をお勧めします。
C日本国内で発行されているニュージーランドに関する情報誌でも投資やお金に関する問題はすぐに信用せず自分で直接ニュージーランドに来て自分の目で確かめ耳で確認する事
お金をその様な業者や近寄ってくる人には絶対に託さずに自分で必ず行って下さい。口座開設や入金・両替等もこのニュージーランドに来て直接本人が行って下さい。非常に簡単に出来ます。ようはお金に関して言葉上手や親切心にかこつけて近寄ってくる人は絶対に信用してはいけません。英語が話せなければそのときだけ通訳を使う事です。1時間NZ$50ドルも出せばほとんどの用件は済みます。

今まで書いたことは小生がこの国に来て一番感じた事であり、今後ニュージーランドに来られる方に対し重要な注意書きと言えると思います。小生も10年前にこの様なアドバイスを受けていれば高額な勉強代を小生にまとわりついてきた人達に払わずに済んだはずです。
この件に関し更にご質問がありましたら下記のアドレスにメールいただければ分かる範囲でお答えいたします

NZ・JPボランティア協会、会長 吉本日海
hiyorian@xtra.co.nz


コラムを締めくくるに当たり今後ニュージーランドに夢を抱いていられる方に水を指しているように思われるかも知れませんが、小生が第5回コラムでお話しましたようにこの国には楽園と言われる生活もありますが、それと同時に注意しなければいけない事も沢山あると言う事です。

このことをご理解の上ニュージーランドに来られる皆様方が素敵な楽園生活を送られるよう心から願っております。それでは10週にわたり小生のコラムを御精読頂き大変ありがとうございました。又、いずれニュージーランドでお会いできる事を楽しみにしております。

吉本日海

            

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